●印章学 いんしょうがく
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現在印章学と称するものはない。印章を対象とする学術的研究大系が確立されていないからである。そこでそうした学問的分野を建設しようとする場合の理想を交えた構想をすると以下のようになる。印章の源流は前数世紀以前のメソポタミアにある。中国印章の始まりも前数世紀以前の秦漢時代にある。印章史の研究は時代の永遠なこと,関係地域の広いことからもけっして容易な仕事ではない。印章には公的印と私的印の類別があり,その中間的な印章もある。印章を印材上から考えても金属・木材・石材など多々ある。彫刻印と鋳造印の区別もある。文献研究と即物研究の2様がある。その上に印章には趣味的鑑賞の要素が多分にあって,ときにはそれが障害となって学術研究を拒んでいる。印章学の樹立は容易でなく,今もって印章学の存在は根本的に成立しがたい。