●イフシード朝 イフシードちょう
AD935
935〜969 アッバース朝カリフの時代に,エジプト・シリアなどを支配したイスラームの王朝。アッバース朝第17代カリフ,ムクタフィーは,トゥールーン朝の衰えに乗じてこれを滅ぼし,エジプトとシリアを再び掌中におさめた。しかしエジプト総督に任命された,中央アジアのフェルガーナ出身のムハンマド=イブン=トゥグジュは,この地に事実上の独立政権を樹立し,数年後には,シリアのほか,メッカ・メディナの2大聖地をも支配下に置いた。ムハンマドは,939年にアッバース朝カリフから,王朝名となるイフシード(ペルシア語で「国王」の意)の称号を授けられ,その後の君主たちもみなこれを称した。ムハンマド以後,最も権勢を誇った,エチオピア出身の第4代,アブ=アル=ミスク=カーフールは,激しく対立していたシーア派のハムダーン朝の攻撃をうまく切り抜けたが,カーフールの死後イフシード朝は衰え,西方から勢力をのばしてきたファーティマ朝によって滅ぼされた。