●イバン族 イバンぞく
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カリマンタン島中北部の熱帯雨林に住むプロト−マレー系の部族で,首狩りなどで知られた。ダヤク族の一部としてとくに海ダヤクとも呼ばれる。言語はマレー語系統で,高地の山腹を利用した焼畑農耕を生業とし,おもに陸稲栽培を行う。部族の大部分は大きな木造の長屋(ロング=ハウス)に集住し,ビレック(家族)ごとに仕切られた部屋で独立した生活を送る。イバン族にはビレックより大きな社会集団はなく,各ビレックが経済的・儀礼的な基本単位となっている。儀礼生活で重要なのはパディ=プンと呼ばれる聖なる米で,これを中心に精緻な農耕儀礼体系が成立している。各ビレックには固有のパディ=プンがあり,その継承方法がビレックの維持や分位に大きく関わっている。このほか夢占いや鳥占い・動物占いなどによってさまざまな活動の是非が判断され,その専門家が各長屋に一人ずついる。人は死後諸霊の棲むサバヤン(あの世)に行くと信じられている。