●イバード派 イバードは
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ハワーリジュ派の穏健な1分派で,その名称は始祖のアブド=アッラーフ=ブン=イバードの名にちなんでいる。彼は過激派と袂(たもと)をわかち,ターキャ(信仰の隠匿〈とく〉)を認め,コーランにハッド(固定刑)と定められた罪を犯した者は,ムーミン(信者)ではないが,同じイスラーム教徒としての共通性を有するという柔軟な態度を維持して,勢力の温存をはかり,ウマイヤ朝の第2次内乱の平定(692)後は,同朝の支配を甘受し,かなりの勢力をもち得た。なお,イバード派は,イスラーム思想史上初めて人間の罪の問題を取り上げたのであるが,この問題はのちにカダル派が受け継いだ。イバード派は,8世紀の初め北アフリカに伝えられ,ルスタム朝を建てた。他のハワーリジュ派はすべて消滅したが,イバード派は現在でもオマーン・トリポリタニア・南アルジェリアなどに少数ながら信者がいる。