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●犬追物 いぬおうもの

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 馬に乗った武士が,蟇目(ひきめ)の矢を使って犬を射る弓技。馬上から地面を走る獣類を追って射る武技を追物射(おうものい)といい,とくに犬を対象にして行うものを犬追物という。犬追物は,40間四方の馬場内に36騎の射手,2騎の検見,2騎の喚次が入り,150匹の犬を1匹ずつ馬場に放してこれを射るのが正式とされる。流鏑矢(やぶさめ)・笠懸(かさがげ)と並んで,馬上の三物(みつもの)と呼ばれる。武士の弓馬の技を鍛えるため,鎌倉時代から室町時代にかけて必須の武芸の一種とされたが,しだいに儀式化していったため,一時すたれた。江戸時代に入り,1622年(元和8)島津忠久が再興し,大名のあいだでも行われるようになった。明治に入ってからは,島津家が宮城内の吹上御苑で供したものが最後の興業となり,現在では犬追物図などでその様子をしのべるだけである。

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