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●稲掛け いなかけ

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 稲架とも書き,刈った稲を掛干しにする用具・施設。稲掛けによる掛干しは平安時代の初めから一部であったが,普及したのは江戸時代以降である。稲の干し方には他に稲束を並び立てて干す地干し,稲束を横に積んで干す稲積みがあり,ともに古くからの方法であるとともに現在も行われている。稲掛けの地方名は,ハザ・ハゼ・ハデが多いが,ノロシ(埼玉・茨城等)・オダ(茨城・広島等)・サガリ(和歌山)・ダテガキ(大阪・兵庫)などとも呼ばれ,また掛干しのことはコデカケ(島根)・オダカケ(茨城)などともいう。稲掛けの形式は,九太や竹を立て横木を渡したつくり稲架と自然木に横木を渡した立木稲架がある。両者とも横木に稲束を分けてまたがせるか,稲束を折って掛けて干す。つくり稲架は田の中や畦・家屋敷の周囲につくられ,横木は1段のものと数段のものがある。立木稲架は田の畦などにハンノキやトネリコ等を植え,枝は上端だけ残して伐り払い,幹に横木を数段縛りつけてつくる。稲掛けに掛干しにする期間は1週間程度が普通だが,“ハデハツカ”といい,20日間おく所もあった。