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●稲祈祷 いなぎとう

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 稲の無事成長を祈り,風雨や虫などの害から守ろうということで行われる儀礼の総称。おもに稲の成育期である7月中・下旬から9月上旬にかけて,虫送り・青祈祷・風祭りなどとして行われる。虫送りはウンカ・メイチュウ等の害虫の発生を悪霊の仕業と考え,その悪霊をムラ人たちが松明や旗をもち,鉦と太鼓に合わせてまじないのことばを唱えながらムラ境に送り出したり,森や塚など持定の場所へ封じ込めようという儀礼である。全国的にみられ,行列には藁人形や藁馬,木や竹でつくった神輿などをもち,これらに食物や害虫を添える所もある。青祈祷は7月15日に神社で稲成育の祈祷をし,お札を田の稲の上で振って歩く行事で,和歌山県で行われる。風祭りは,風害は悪霊の仕業と考えて,鎌を庭先や屋根に立てたり,風の神をムラ人が行列をしてムラ境ヘ送り出したりする行事である。稲祈祷は,いずれも呪的行為を伴う儀礼で,直接被害をこうむる前から行われるのが通例である。