●イドラ
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本来は,「姿」「像」を意味するラテン語。[1]偶像と訳し,神を象徴するものとして,信仰の対象となる像をさす。[2]イギリス経験論の祖といわれるF.ベーコン(1561〜1626)の用語。彼は,『ノヴム=オルガノン』において,自然を支配し人類の生活の進歩に役立つところの自然法則の認識を,〈知は力なり〉といい,ありのままの自然認識をゆがめる幻影・偏見を取り除く必要を説いた。この偏見・幻影,すなわち先入見をイドラという。このイドラについてベーコンは,次の4種をあげている。[A]人間の本性に根ざし,人類という種族に普遍的な「種族のイドラ」。[B]個人に特有の立場(性癖・好悪・境遇・体験)から生ずる「洞察のイドラ」。[C]言語上の知識と経験による知識の混乱から生じる「市場のイドラ」。[D]哲学の伝統的な独断や,権威を盲目的に信じるところから生じる「劇場のイドラ」。