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●井戸尻遺跡群 いどじりいせきぐん

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 八ケ岳山麓に営まれた縄文中期の集落,包蔵地群を総称。長野県富士見町にある。東日本の縄文文化研究は貝塚中心に前進したが,山麓の好条件下にあった雑木林の生活文化の追求が進んでようやくその全貌が明らかになった。隆帯文を多用した豪壮な中期縄文土器は以前から注目されていたが,計画的発掘の進行で,土器の編年,型式の研究から住居址への関心へ,さらに集落への理解,ついてヒンターランドを含む広義の生活文化へと学問の広まりと掘り下げが進んだ重要な遺跡である。一口に狩猟と漁撈,と強調されてきた従来の生活観に,イモや球根栽培など縄文期の原始農耕が省察されたことの意味が大きい。井戸尻,曽利,九兵衛尾根,新道,藤内などからなる遺跡群は野火による焼滅を推測させる状態の住居址が多く発掘され,生活文化のタイムカプセル的様相が察知され,地元研究者の学問的情熱を昂揚させた。井戸尻の井戸は湧水・泉水をさす語。

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