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●イデオロギーの終焉 イデオロギーのしゅうえん

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 1950年代のなかばごろから,アメリカの社会科学者によって用いられ,1960年に出たD.ベルの同名の著書によって急速に広まった言葉。彼らによれば,先進資本主義諸国では,科学技術の進歩によって生活水準が向上し,階級間格差が縮小し,福祉国家化や大衆社会化が進み,その結果,現実のラジカルな変革を志向するイデオロギーの存在基盤は消滅した。また,社会主義圏における理想と現実の乖離も,人々にイデオロギーに対する幻滅感をあたえた。こうして,いまや空想的イデオロギーが現実的役割を果たす時代は終わり,これからは実証的な科学技術の時代であるというのである。しかし,客観的に見て,イデオロギー終焉論は,現実に内包する諸矛盾を隠蔽し,人々の変革的な志向を麻痺させるとともに,大衆に対する不信とシニシズムに支えられた科学技術万能主義により,人々を管理国家に組み込もうとする知的テクノクラートのイデオロギーにほかならない。