●イソップ
ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD
古代ギリシアの,動物による寓話の語り手として有名。その生涯については,不明のところが多い。前6世紀の初頭の人とされる。トラキアの出身で,あるサモス人の奴隷であり,のちに解放され,サモスの人々のあいだで尊敬を受けたといわれる。ヘロドトスは,アイソポス(英語では,イソップ)がサモスで奴隷として,のちにエジプトでアマシス王のもとで娼婦として有名になったトラキア出身のある女奴隷と朋輩であったと述べ,彼が,デルフィ(デルフォイ)で誤解を受けて殺されたと伝えている。また,アリストファネスの喜劇『蜂』によると,前5世紀後半のアテナイで,アイソポスの寓話が民衆のあいだによく知れわたっていたことがうかがわれる。また別の所伝によると,アテナイからアレクサンドリアに難を避けた,ファレロンのデメトリオスが,アイソポスの寓話を集録したとされる。一般の人たちのあいだで語り伝えられていたものが,彼の名を冠した『寓話集』として成立したのが最初であろうか。