●イスラーム建築 イスラームけんちく
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モスク・宮殿・邸宅・墓廟・聖廟・学院・僧院・隊商宿など,イスラーム建築はそれぞれ特色をもつ。代表的建築はモスクである。アラブの建築様式は低かったが,イスラームが西アジアに普及すると,各地の建築様式や技術を取り入れて,モスクなどのイスラーム建築がつくられた。現存する最古のイスラーム建築は,ウマイヤ朝時代のもので,シリア地方に残っている。それは,キリスト教の教会などをモデルにしてつくられ,石造りの壁に木造の屋根をのせたもので,全体としては,中央部に円屋根を集中させた形を特色としている。また,モスクに付設されているミナレットは平面形が四角になっている。これもキリスト教の教会の塔の建築様式の影響を受けており,従来の宗教建築を踏襲したものである(シリア型)。アッバース朝時代になると,モスクは円屋根で建築全体の形を統一しつづけたが,ササン系の要素が加わり,東方では円形のミナレットが現れたり,エジプトでは下半部四角,上半部円形のミナレットがつくられた(サーマッラー型)。中国や東南アジアでも,その地方の特色を表すイスラーム建築が現れた。広州のモスク懐聖寺の煙突型ミナレット,デマク(ジャワ)のスルタン=モスクの3層の屋根にみられる建築様式は,それを代表するものである。なお,宮殿・墓廟・聖廟にも優れた建築が現れたが,イランでは建築材料に華麗な煉瓦を使用し,インドでは石を用いたものが多い。建物の内部は,アラベスクに代表されるイスラーム独特の文様で飾られている。