●イスラエル人 イスラエルじん
アジア イスラエル国 AD
イスラエルという名が初めてみられる文献資料は,前1210年ごろのエジプト王メルネプタハの戦勝記念碑である。征服した民のなかにイスラエルが登場する。『旧約聖書』において「イスラエルびと」という表現を用いはじめる時期は,ほぼ中心的聖所を共有しつつ12部族の宗教連合を形成するころにあたり,この名は,むしろ12部族を統括する連合の名称であったように思われる。これは,彼らが農耕文化を受容しつつ,パレスチナ地域に定着していく時期であり,王国成立に先立つ,いわゆる士師時代である。その後王国時代を通じ,民族名として用いられるようになったが,南王国の滅亡後,しだいに民族名としてのイスラエル人はユダヤ人に取って代わられていった。現代において,1948年5月にイスラエル国が建設されると,これは現代国家としてのイスラエルに居住するユダヤ人を示す名称となった。