●イジュマー
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「集めること」「合意」を意味するアラビア語。イスラーム法上イスラーム社会の知的エリート集団(時代のムジュタヒドまたはウラマー)間の神の法に関しての合意を意味する。それは四つの基本法源(ウスール)の第3法源である。最後の預言者ムハンマドの死後第1・第2法源としての『コーラン』とスンナは歴史的産物すなわち有限な聖法典となったが,おこりうる事象は無限なはずである。この矛盾を解決するためにイスラーム社会を代表する知的エリート間の合意もまた神の意志と命令を実現したものと考えられた。そこには敬信の念厚く最も学識のある人びとによって代表されるイスラーム社会全体が神の意志に反して満場一致で合意をみるはずがないという信念があった。したがって確立された合意は信仰の一部であり,次の世代に対しフッジャ(論拠)となりうる拘束力をもつ。多くの問題がイジュマーの原則によって解決された。一方この原則の可否をめぐって宗派分派が対立した。たとえばイスラーム神秘主義者による聖者崇拝が大方のスンナ派内で許容されたのはイジュマーのおかげであるが,これに反対するスンナ派中の原理主義派であるワハビー派は不正ビドア(後代の有害付加物)としてこのイジュマーの効力を認めない(ただし初期イスラームの教友間の合意だけは認める)。シーア派はイジュマーの原則を認めない。その代わりに歴代イマームの無過失性(エスマ)を認めて聖法の立法権を付与している。