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●石庖丁 いしぼうちょう

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 穀類の穂首刈りに使用した磨製石器。一部に打製品もある。エスキモーのウーマンズ・ナイフに類似するところからその名がある。中国では石刀と呼ぶ。石庖丁は,中国北部初期農耕段階の斐李崗期に早くも現れ,仰韶期には定型化して普及する。長江水系の河姆渡文化にはこれがなく,馬家浜期に入って稲作と結びつくから,畑作地帯起源の石器と考えてよい。石庖丁の類品はアフリカや西アジアにもあるが,分布の中心は初期農耕段階の東アジアといえ,その形態も種々多様である。すなわち中国北部から東北部の畑作地帯では,長方形・直刃半月形などを主流とするのに,長江水系ではやがて外弯刃半月形が盛行する。わが国には稲作文化とともに渡来したから,南朝鮮ともども長江水系の石庖丁の系譜をひく。東北地方南部を除く東日本には分布が薄い。貝庖丁などに代えられたのだろうか。弥生時代後期には消滅していくが,鉄器化・株刈りへの移行によろう。

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