●イシス
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古代エジプトの女神。エジプト名はアスト。冥界の神オシリスの妹で妻。ホルスの母。オシリス神話では,セトによって殺され,八つ裂きにされてナイル川に投じられた夫オシリスの遺骸の断片を,苦心の末探し出して夫を甦らせ,2人のあいだに生まれた息子ホルスをあらゆる危難から守って養育した,とされる。このためイシスは,死者を蘇生させる魔力をもつ神,また夫に忠実な妻,息子に献身的な愛を注ぐ母性の典型として,広く各地で崇拝された。またイシスはハトホルとも同一視され.王権を生む女神として特別の地位を占めた。その姿は,頭上に椅子(玉座)またはハトホルと同様に太陽と牛の角を戴く女性像で表された。膝の上に国王を乗せたり,ハルポクラテス(裸体の幼児の姿をしたホルス神の一変身)に授乳している姿で表された図像も多い。ギリシアでは,大地女神デメテルと同一視された。ヘレニズム・ローマ時代には宇宙神・航海神ともなり,オシリス・ホルスとともに3柱神群をなす神として,この女神に対する信仰が地中海世界の各地に広まった。イシス崇拝の遺跡としては,プトレマイオス朝時代に,ナイル川上流のフィラエ島に造営されたイシス神殿が有名である。
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