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●イコン

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 ギリシア語のeikon(画像の意)に由来する。テンペラでかかれた板絵で,〈聖画像〉と訳される。おもにギリシア正教で用いられ,ロシア・バルカン諸国で発達した。伝説によれば,聖ルカが描いた聖母子像が,その始まりといわれている。典型的なビザンツ様式で,最古のものは6〜7世紀にさかのぼるといわれるが,現存するものは10世紀以後のものがほとんどである。14〜16世紀にロシア的画風が確立され,一定の形式が守られてきた。主題は比較的限定されており,三位一体を示す天使・聖母子像・キリスト像・聖人像などである。イコンは,ギリシア正教徒にとって,まさに〈聖なる画像〉で,聖堂内のみならず,各家庭にも安置され,礼拝の対象とされてきた。ロシアの〈ウラジミールの聖母〉のように,イコンには神の恩寵が宿るとして,民衆から尊崇を集めたり,信者を悪から守り,幸福を授けたという奇跡伝説を伴ったりするイコンも数多い。