●生霊 いきりょう
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生きている人の怨霊で,他にわざわい(崇り)をもたらすといわれている。「いきすだま」ともいわれる。生命は,体内に存在する霊魂によって維持されており,人間のすべての行動や思惟はそれによって左右される。したがって,霊魂が離れると病気やケガになるため,遊離した魂(タマ)を阻止防御して,早く体内に復帰させようとする呪法が行われた。また,憎しみや怨みの情念があまりに強いと,その人間の魂が相手にとりつき,病気・死・家運の衰退・死産などのわざわいがおこるものとされた。その代表的習俗が呪い人形・呪い鉦・丑の刻参り・生霊憑きなどである。生霊憑きは,とくに内向的な性格の強い女性におこりやすいといわれていた。生霊は,数多くの古典文学作品に登場し,当時の人々の生霊への感情をうかがわせている。たとえば,『平家物語』には,〈西光法師が悪霊,鬼界が島の流人(るにん)どもの生霊……〉という一節がある。