●生見玉 いきみたま
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両親が健在な場合のお盆に,その両親に鯖などを食べさせて祝うことをいう。この語が現在も伝えられている地方は,東京の一部や奈良県の山辺郡などごく限られており,神奈川県足柄上郡では名付親や仲人親の所へ盆礼に物を贈ることをイキミタマに行くといっている。しかし記録の上では江戸末期の『風俗問状答』に三河国吉田領や丹後国峰山領の例がみられ,さらにさかのぼって室町時代の古記録類にもたくさんこの盆の生見玉の記事がみられる。生盆(いきぼん)という語もほぼ同様に用いられているが,これらは一般に先祖の魂祭りと考えられている盆の行事が同時に生きている親の魂を祀る行事でもあったことを示している。それは正月が年玉をもらうなどといって新しい生命を付与される儀礼となっているのとも対応している。日本の民俗では正月も盆も人々の魂祭りをその基調としているが,それに際していずれも先祖がその場に訪れて子孫とともに飲食するという考え方が特徴的である。