●生口 いきぐち
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今日では証人のこととするものがいるが,本来民俗信仰用語で,民間信仰では口寄せには神口・生口・死口の3種類がある。生口には,もっぱら長期間にわたって音信不通なものの生霊をよび出し,近況を語らせる口寄せの方法がある。東北地方では,行方不明のものや遭難者の生死や安否を確かめるために,イタコやゴミソに頼んでそのことをききただしている。そうした方法をもって,遠洋航海に従事したものや戦争にいったもの,抑留されたもの,災害にあったものについてその霊を招いてききただし,それをシャーマンにお願いしてきいてもらうのが口寄せである。それを生口といっている。これは死口に対する語で,江戸語の辞典をみると1812年(文化9)の『浮世床』に生口が出ているので,文芸作品にも登場していることば。