●家持・地借・店借 いえもち・じがり・たながり
アジア 日本 AD
近世における町方居住者の階層区分をさす。家持とは,町民としての身分をもつ都市構成の基本階層で,家屋敷とその土地を保有する者をいう。これに対して,地借と店借は正規な町民として認められず,地借は地主から借りた土地に自分の家だけもつ者,店借はいわゆる借家人で,土地家屋をもたず,家主に店賃を払うものをさす。家持は,その間口に応じて公役を課せられ,農村の田畑・屋敷の本年貢を負担する本百姓に対応する町人で,地借・店借は公役を課せられない反面,借地証文・借家証文に保証人の連印を必要とするほか,店借を店子に大家を親に擬すなど身分的な自立が認められない状態に置かれた。さらに,表通りに面した表店借には上層の大商人などが住み,裏店借に住むのは下層の零細商職人や日雇い人足,あるいは無職の流入者などであった。これら貧窮層を中心に,飢饉などに都市騒擾がかもしだされた。