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●アンナ=ゼーガース

ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1900 ドイツ帝国

 1900〜83 本名ネティ=ラドヴァーニ,旧姓ライリング。社会主義の立場のドイツ女流作家。ライン河畔マインツに古美術商の娘として生まれ,ハイデルベルク大学で美術史・歴史・中国語などを学び,『レンブラントにおけるユダヤ人とユダヤ世界』で学位取得。学友であったハンガリー出身の経済学者と結婚し,労働者教育にたずさわる夫とともにベルリンに移る。創作活動では怪奇的短編を若干発表後,『聖バルバラ村の漁民一揆』で1928年度クライスト賞受賞。ドイツプロレタリア革命作家同盟に入り,1930年ハリコフでの国際革命作家大会にも参加。長編の第1作『仲間たち』(1932)出版後,1933年ナチスに追われて亡命。はじめパリに1940年以降47年までメキシコに住み,反ナチ文化活動とともに『二月を通る道』(1935)・『首にかけられた賞金』(1933)・『救出』(1937)などこの時期の緊急の政治的主題を扱う長編を次々発表。とくに強制収容所からの脱走者をめぐってナチス支配下ドイツの日常生活と民衆の連帯性を描いた『第七の十字架』(1942年アメリカで英訳,メキシコでドイツ語版,ドイツでは1946年)は国際的に大反響をよぶ。亡命者の不安を深くとらえた『トランジット』(1948)や望郷の思いをこめた『死んだ少女たちの遠足』(1943)も傑作。現代史の総括と呼ばれる『死者はいつまでも若い』(1949)のほぼ完成した原稿をもって1947年帰国。東ベルリンに住み,ドイツ民主共和国の代表的作家として活躍。1950〜78年は作家連盟会長。長編『決断』(1959)・『信頼』(1968)は社会主義建設途上の困難を直視しつつ,未来と人間への信頼を示す。短編も多く,『弱者の力』(1965)や,ハイチの独立運動を題材とする作品群,神話を扱う小品,空想にみちた『奇妙な出会い』(ゴーゴリとE.T.A.ホフマンとカフカが文学論をかわす作品他2編,1973)など多彩。『ルカーチとの往復書簡』にみられるように,リアリズムを,規範によるのではなく作家が独自な手法で現実に迫る方向と広く理解した。