●アントワープ
ヨーロッパ ベルギー王国 AD
ベルギー北部,スヘルデ川下流東岸に位置する同国第2の都市。同市は11世紀末ブラバント公領に入り,この地方の毛織物工業の発達,遠隔地商業の進展とともに中世都市として発展。1291年都市権を獲得してコミューヌとなり,1315年ハンザ同盟に加盟。15世紀にはブリュージュに代わってネーデルラントの商業中心地となり,16世紀前半には,スペインの新大陸貿易,ポルトガルの東インド貿易,イギリスの毛織物貿易のヨーロッパ最大の中継貿易港として繁栄した。1513年にはヨーロッパ最初の株式取引所が開設される一方,フランドル画壇の一中心地でもあり,ルーベンスやファン=ダイクを生んだが,1568年に始まったネーデルランド独立戦争中スペイン軍の攻撃で陥落(1585),1648年ウェストファリア条約によってスヘルデ河口が閉鎖され没落した。同市の近代的発展は1830年のベルギー独立後,19世紀後半から始まり,20世紀には第一次世界大戦につづいて第二次世界大戦でもドイツ軍に占領されたが,戦災を受けないヨーロッパ唯一の港として以後急速に発展した。ブリュッセルに本部をもつヨーロッパ共同体(EC)の発展で統一ヨーロッパの港としても重要になっている。