●アントニヌス=ピウス
AD86
86〜161 ローマ皇帝(在位138〜161)。五賢帝の1人。ローマ近くのラヌウィウムで生まれる。財務官・法務官などを歴任し120年コンスルになる。138年ハドリアヌス帝によって養子とされ帝位継承者となり同年ハドリアヌス帝死後皇帝に即位する。即位にさいし元老院からピウス(敬虔な人)という称号を与えられる。その名のとおり彼の政治はきわめて穏健で,元老院と協調しながら中央集権化を行った。多くの公共建築物の造営を行いイタリア各地に橋をつくり港湾を整備して,商業活動を活発化し財政の健全化につとめた。ティベル川右岸のハドリアヌス帝霊廟やフォラムにあるファスティナ寺院などが現存している。140年ごろブリタニアに遠征したさいにカレドニアに有名なアントニヌスの城壁を築いた。帝の治世はローマ帝国が最も繁栄した時代で,いわゆる「パクス=ロマーナ(ローマの平和)」を謳歌した時期であった。161年マルクス=アウレリウスを後継者として定め没する。