●アンダルス
AD
イベリア半島におけるかつてのイスラームの領域。アラビア語では普通定冠詞アルをこれに接頭してアルアンダルスという。バンダル族の国をさすラテン語のバンダリシアのアラビア語訛りがアルアンダルスであり,スペイン南部のアンダルシアはこれに由来する。その歴史は711年,ウマイヤ朝の部将ターリクの半島進出に始まり,1492年,イスラーム最後の王朝ナスル朝の首都グラナダの陥落で終わる。この間8世紀,この地に多くのイスラーム国家が興亡したが,後ウマイヤ朝が最大・最長の国家である。アンダルスはイスラーム世界の一部でありながらも,独自の政治・文化的地域として存続した。また東方からもたらされた優れた農業技術・農産物,イスラームの学問・文化などがこの地を経由して中世ヨーロッパ世界にもたらされた。アンダルスの文化・知的水準を物語る遺構としては,コルドバの大メスキータ,グラナダのアルハンブラ宮殿,セビリャのアルカサルなどがある。