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●アンジュー

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

フランス西部,ロワール川下流地帯の地方名。中心都市はアンジェ。ケルト人のアンデカーヴ族が居住していたためにこの名がある。地理的には丘陵性で叢林の多い西の“黒いアンジュー”と,低平地の多い東北の“白いアンジュー”にわかれる。中世には重要な領地で,アンジュー伯フルク5世は選ばれてエルサレム王となった(1131没)。その子ジョフロワ=プランタジュネは,イギリス王ヘンリー1世の娘マティルドとの結婚を通じてノルマンディーを併合し,両人の子アンリ(英王としてヘンリー2世)は英王位を継承した(1154)。このため,英王室はフランス内に広大な領地を領したが,フランス王フィリップ2世が奪還に成功する(1203)。ルイ8世の子で,この地に封じられたシャルルに始まる新しいアンジュー伯家は,プロヴァンスを併合して地中海に進出しシチリア王となり,国際政治の舞台に雄飛したが,アラゴンの進出に遭遇して,いわゆる“シチリア晩鐘事件”(1282)で地歩を失った。