●アルパカ
南アメリカ ペルー共和国 AD
ラクダ科の動物で,リャマなどとともにアンデス地方原産の家畜。頭高約150cm,体重約90kG。現在はペルー・ボリビア両国にみられる。高地に適応しており,標高4,000〜5,200mのプナと呼ばれる生態学的階床が生育に最適である。家畜化は,紀元前2000年紀にさかのぼることが確実である。おなじラクダ科のリャマとは異なり,駄獣としては利用されず,主としてその毛と肉に価値がある。牧民によって,食料となるイチュ草をもとめて放牧される。オスは,少数の種オスを除いて屠殺され,その肉は,食料となるほか農民との物々交換にも用いられる。毛刈りは,11月〜4月の雨期に行われる。1頭あたり毎年1.3〜1.5kGの収量がある。その毛は繊細であり,強靱性・保温性に優れる。毛は,中間業者に売り渡され,これが,牧民の重要な現金収入源となる。毛は,アレキパ・フリアカなどの都市に集められ,そこから輸出される。19世紀から第二次世界大戦までは,輸出はイギリスに独占されていた。現在は,欧米のほか日本にも輸出されている。これを加工した毛織物製品も,アルパカと呼ばれる。〔参考文献〕稲村哲也「リャマとアルパカ」季刊民族学16,1981