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●阿房宮 あぼうきゅう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の秦の宮殿。陝西省西安市西郊の丘陵“阿房宮”にあった。秦の始皇帝は,咸陽の宮殿の規模が手ぜまのため,群臣が参集する正殿である朝宮を,渭水の南の上林苑に造営することにした。前212年(始皇帝35)まず,前段として阿房宮をつくった。その規模は大きく,東西500歩(約800m),南北50丈(約150m)で,殿上には1万人を座らせることができ,殿下には5丈(約15m)の旗を立てることができたといわれるほど,宏壮なものであった。周囲には廊下をめぐらし,宮殿からは,南へ廊下がのびて南山の頂上に達し,そこには宮城の正門をたてた。また,北へは,上下二重の廊下がつくられ,渭水をわたって咸陽に連絡するようになっていた。阿房宮は,宇宙の絶対神である上帝の居所の天宮を地上にうつし,地上の主宰者である皇帝の居所としてふさわしいものをと考えて計画されていたという。始皇帝の1代では完成しなかったが,秦が滅んだとき(前206),項羽の軍に焼きはらわれた。阿房宮とは,正式の名称ではなく,地名にちなんだ名称である。

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