●アブルガーズィー=バハードゥル=ハーン
AD1603
1603〜63/64 ウズベク族シャイバーニー朝ヒヴァのハーン(在位1644〜63/64)。歴史家。幼時は父アラブムハマンド=ハーンのウルゲンチの宮廷ですごす。父の暗殺後兄弟間のハーン位争いの時サマルカンドに逃げ,1623年一時ウルゲンチに戻ったが1629年にはイランのイスファハーンへ移り,ここでアラブ語,ペルシア語を学びながら10年間サファヴィー朝庇護下にあった。1644年ヒヴァのハーンとなり,トルコマン・カルマク・ブハーラーへたびたび遠征を行った。歴史家としてチャガタイ・トルコ語で『トルコマン諸族の系譜』および『トルコ諸族の系譜』という題の二史書を著した。とくに後者はつとにその内容がヨーロッパに知られ,ヨーロッパ人の中央アジアのトルコ人やモンゴル人の歴史についての考え方に長く影響を与えつづけた。現在でも『トルコ諸族の系譜』は1450年以後のシャイバーニー朝史研究のための不可欠の史料である。