●ア=プリオリ
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ラテン語に由来することばで,もともとの意味は,〈さきなるものから〉ということである。カントが,認識のうち,経験によらないで得られるものを〈ア=プリオリな〉ものと呼んだことから,認識論的な概念として有名になった。経験を必要とする認識は〈ア=ポステリオリな〉ものと呼ばれるが,これももともとの意味は,〈あとなるものから〉ということである。現在においては,論理学や数学の認識を,ア=プリオリなものの典型とし,自然科学の認識を,ア=ポステリオリなものの典型とする論者が多い。しかし,なかには,数学や論理学における正しさの基準を,窮極的には経験にもとづいているものだとして,ア=プリオリな認識とア=ポステリオリな認識との区別をきびしく立てることに反対する哲学者もいる。また,その一方では,自然科学の根本法則は,その正しさが経験によっては左右されないようになっているとして,ア=プリオリな認識の範囲を,かなり広くとる論者もいる。