●アブー=ヌワース
AD762
762〜813 アッバース朝の代表的な詩人。アルアハワーズで生まれ,バグダードで死亡。父の死後,ペルシア人の母の手で育てられた。バスラでアラビア語や文学を学んだのち,詩人ワーリバ=イブン=アルフバーバに伴われてクーファに移り詩作活動を行った。やがてバグダードに移り,バルマク家やラビーウ家に招かれ,さらにカリフ宮殿にも招かれるようになり,豊かな宮廷詩人の生活に入った。カリフ,ハールーン=ラシードに投獄されたこともあるが,息子のアルアミーンに寵愛され,その専属詩人になった。アブー=ヌワースは恋と酒の詩に優れ,この方面では第一級のアラブ詩人に数えられている。廃墟に立って,ありし日の恋人との思いに泣き,砂漠的生活を描くのを基本とするアラブ詩の伝統に逆らい,都市的生活の描写を前面に出すなど作詩法に新風を吹き込んだ。酒色を楽しむのを人生最大の目標にあげているが,死の直前に優れた禁欲詩を残している。