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●アブー=アルアラーイ

アジア シリア・アラブ共和国 AD973 

 973〜1058 思想家・詩人・文人。シリア北部のアルマアツラに生まれ,幼少にして天然痘にかかり失明,父からイスラーム諸学の手ほどきを受けたのち,アレッポ・アンチオキア・ラタキア・トリポリ・バグダードなどを転々としながらイスラームやアラブ文学の造詣を深め,晩年は故郷で過ごした。生涯およそ70種の著作を残したが,なかでも有名なのが,『火灯石の火花』(青年期の詩集)・『ルズミーヤート』(詩集)・『諸論と諸目的』(説教忠言集)・『許しの書』などである。『許しの書』におけるアブー=アルアラーイは文学・アラビア語・歴史・社会・宗教など各分野の百科全書的評論家の本領をいたるところに発揮している。この書は天国・地獄・復活などの模様を冷笑的に描き,復活思想を批判しており,のちにダンテの『神曲』に影響を与えたものとして注目されている。思想家としては懐疑主義者であり,詩人としてはこの世の堕落を皮肉っている。