●アナクサゴラス
ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD
前500ごろ〜前428 古代ギリシアの自然哲学者。イオニアのクラゾメナイの人。前480年,クセルクセスがアテナイに侵入したときに,アテナイに移り,生涯のうち30年をそこで過した。アテナイにおいて自然哲学者としてよく知られ,ペリクレスと親交があり,エウリピデスやソクラテスにも影響を与えた。その学説のゆえに不敬罪に問われ,黒海の入り口に近いラムプサコスに移り,その地で世を去った。彼は生成・消滅はありえず,融合と分離があるのみとする。物体は限りなく同質の微小部分に分割されうる。この最も微小な構成要素はスペルマタ(=種子)と呼ばれる。物体は多種多様な無数のスペルマタの混合によって生じる。何ものも純粋なものはない。宇宙生成においては,いわば混沌の状態から万物が分離する。ここでもう一つの重要な概念は,ヌゥス(知性)である。ヌゥスはあらゆるもののなかで,最も微細で純粋なものであり,あらゆるものについてのあらゆる知をそなえ,最大の力をもつ。これがあらゆる分離の起動者となり,万物が今日あるような状態へと進行することを定めた。彼によって初めて,動かすものと動かされるものとが区別された。それはもはや神ではない。しかし,なおもの(ルビ・・)として考えられている。その役割は起動因としてのそれにとどまる。