50音順    検 索

●アトラス

ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD 

 ギリシア神話でティタンの一人。プロメテウスの子イアペトスとオケアノスの娘クリュメネから生まれた。おそらく“耐え忍ぶ者”というのが名前の由来であろう。ホメロスでは単なる天柱の番人であるが,ヘシオドスの『神統記』はなぜ空が落ちてこないかを説明して,世界の西の果てでアトラスが肩に天空を支える柱を背負っているからだと述べている。ヘロドトスにいたると,彼は北西アフリカのアトラス山脈と同一視されるようになる。プラトン以後はジブラルタル海峡の西の海にあるアトランティス島の王とか,羊飼いとか,天文学者とか考えられている。神話での有名なエピソードはヘラクレスならびにペルセウスとの出会いである。アトラスの地でその娘たちの一人ヘスペリデスによって守られている黄金のリンゴを取ってくるように命じられたヘラクレスは,ネレウスに教えられてその場所に来るが仕事を果たせない。そのときアトラスは,しばらく自分に代わって天空を支えていてくれればリンゴを取ってきてやろうと申し出る。約束を果たしたアトラスはヘラクレスから天柱を受け取ろうとしなかったが,ヘラクレスにうまく騙されて再び重荷を背負うことになった。また,天馬ペガサスに乗って通りかかったペルセウスを歓待しなかったので,怒った英雄は身の毛もよだつようなメドゥーサの頭を見せてアトラスを岩に変えてしまったのだといわれている。なお,アトラスの肖像を地図の表紙に使ったのは16世紀のメルカトルが最初であり,以来アトラスは地図帳を意味するようになった。

01