●後産 あとざん
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出産の後,胎盤が胞衣(エナ)として出されることを,アトザンとかノチザンという。後産がなかなか下りないときには,柄杓の柄を産婦の口に入れたり,産婦の片足に下駄や草履をはかせるなどという呪いをする。また,後産はみるものではないといい,そこには一生のことが書いてあるからとか,一生の幸不幸が宿っているからという。さて,今では病院で出産するので後産は病院で処理されるのだが,家で出産していたころには,後産を埋めるという方法がとられていた。その埋める場所をみると,便所のすみ・墓地・家の入口の閾の下・縁の下・床下などがあり,共同の埋め場所が決まっている地方もある。また,海に流すという地方もある。そして,人の踏まないところを選ぶという場合と,よく人の踏むところを選ぶという場合が,処理する場所に対する説明としてある。後産を埋めた場所を最初に通ったものを子どもは生涯恐れるといい,ゆえに父親がわざと踏んでおくという地方もある。