●アッシニア紙幣 アッシニアしへい AssiGnat
ヨーロッパ フランス共和国 AD1789 フランス革命
フランス革命期に発行された紙幣。1789年11,12月,立憲議会は財政上の理由で聖職者財産の国有化・売却を決めたが,その購入手段として4億ルーヴルのアッシニア発行を行った。当初は購入財産の支払いが完了すれば焼却する方針であったが,やがて強制通用に切りかえ,開戦以後は経費の増大とともに増発を余儀なくされた。このため1793年1月に実質価値は額面の60%に,7月には30%を割るまでに下落した。商人はアッシニアでの取り引きをいやがり,増発が物価の高騰をまねいたが,山岳派国民公会は鋳貨・貴金属の没収や一般最高価格法の制定などの強硬手段で紙幣の信用回復をはかり,軍事勝利も幸いして一時50%にもち直した。テルミドール反動後,発行総額は200億ルーブルに達し,価値は6%に低下。総裁政府下では国有財産を無競争で獲得できる地券を新たに発行し,アッシニアの回収につとめた。結局,アッシニアは地券とともに,国立銀行設置までの代替的な財政政策を示しているが,他面,紙幣の信用と結びつく国有財産の評価を損なうまいとして,大地片売却・短期償還の方針でほぼ一貫したことも見落とせず,結果的に富裕者の買い取りを有利にした。