●アッサム
アジア インド AD
インド東部にあり,1州を形成する。北はブータン,アルナチェルプラデシュ州,東はマニプル,ナガランド州やビルマに,南部はメガラヤ,西部はバングラデシュと西ベンガル州に境している。面積9.9万平方km,人口1,990万人(1981)である。インド22州のうちでは13番目の人口である。【自然】地形的にはプラマプトラ川の流域に沿って東西にのびる平原と,その周辺の丘陵部とにわけられる。この平原は東西700km,南北80kmにわたる広いもので,アッサム州の中心地帯である。主要な農業地帯であり,多くの都市が分布している。また,この平原はアッサム谷またはプラマプトラ谷ともいわれ,その周囲には,北にヒマラヤ,東東−東南にパトカイ山脈南部にアッサム丘陵がある。気候的には熱帯モンスーン気候に属していて,高地を除いてl月の平均気温は10.6℃,7月の平均気温は25℃である。6月から9月がモンスーン(雨季)で,降水量は年間2,000mmを超える。とくに州西部の山麓では,1万mm以上となり,世界の最多雨地域となっている。
【産業】アッサムのおもな産業は農業で,米・茶・ジュートなどが栽培される。とくに茶は重要な商品作物で,インド総生産の半分以上はこの地域で生産される。茶園はヒマラヤの山麓や丘陵地を中心に開け,茶摘みの季節には,西べンガルやビハール,オリッサやネパールなどから,多くの労働者がやって来る。かつて,多くの茶園は,イギリス人の所有であったが,独立後はほとんどインド人の所有となった。アッサム州人口の12〜15%が何らかの形で茶の栽培・加工などに従事している。工業は農産物を加工するものが多く,製茶・製粉・精米・油脂・缶詰・織物工業などが挙げられる。手工業による絹の手織りはアッサムシルクとして知られる。このほか東部のデグボイ油田から出る原油の精製や,小規模な自転車工業,機械部品製造なども行われている。
【住民】アッサム州はインド国内では,他州と隔離され,密林が多く,未開の地域がひろがっている。また住民の多くはアッサム人で,アーリア系には属するが,モンゴル人の血も多くまじり,ベンガル人よりもいっそうアジア的である。このほかに周辺の丘陵や山地には,50万人以上の部族民が住み,焼畑耕作などの農耕生活を送っている。教育水準や文化水準も低い。さらに,アッサムは東部の辺境にあり,多くの民族をかかえているので,従来,この地をめぐる紛争は絶え間がない。今日でも,中国とのあいだでの国境をめぐる争いや,ナガ族の反乱(ナガランド独立連動)などが起きている。また最近では,西ベンガル州やバングラデシュから多くのベンガル人が移住し,アッサム人とのあいだで紛争がおこっている。従来,アッサム人が主導権をもって,州の政治・経済を動かしてきたが,急増するベンガル人が大きな勢力をもってくるようになり,これに対する反発が暴動の形で現れるようになったのである。アッサム地方は,東ベンガルが,バングラデシュとなって別の国を形成したため,この地方の一大中心であるカルカッタヘ大きく迂回する形で,道路や鉄道が形成された。主要な都市は,プラマプトラ川に沿うガウハティであるが,近年,州の首都は新しいジスプールに移った。またメガラヤやマニプール・トリプラ・ナガランド・アルナチェルプラデシュなど,多くの民族や言語があるので,それによる多くの州が成立した。それによって,この地域の政治情勢や社会情勢を,いっそう複雑にしている。
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