●アター
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アラビア語で“贈り物”を意味する語で,イスラーム初期時代には,ムハンマドの未亡人・親族・功労者の年金や,軍人・官僚の俸給と解されていた。第2代正統カリフ,ウマル1世が,640年メディナと各官軍営都市(ミスル)にディーワーン(役所)を設置してアラブ戦士(ムカーティラ)へアターの支給を開始した。その金額については,多様な伝承があり,真相は明確ではないが,年額2,000から1万2,000ディルハムにわたり,戦士の大多数は500〜1,000ディルハムを受けていたと伝えられており,一般の戦士はきわめて少額であったようである。もっともアターは少額であっても,征服が順調にすすんでいるかぎり,彼らはアターの数十倍ものガニーマ(戦利品の収入)を期待できたという。アターは,アッバース朝のカリフ,マームーン(在位813〜833)の時代に廃止された。