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●アズハル

アフリカ エジプト・アラブ共和国 AD 

 カイロにある古いモスク(970年起工,972年完成)および付随するマドラサからなる有名な神学校のこと。創立者はファーティマ朝(シーア派)のエジプト征服者,カリフムエッズの部将ジャワハルスカッリーである。996年にマドラサとなったが,その目的はシーア派教義布教の学問所とするためであった。最初法律書の不定期な車座研究より始まったが,王朝の潤沢な疵護のもとにワクフ(寄進)財産を設定して,留学生を受け入れ寄宿舎を建てて定期的学問所として発展した。アイユーブ朝(スンナ派)の成立(1169)によって,一時アズハル教育は廃止された(約100年間)が,次のマムルーク朝のバイブルスによって1258年(バクダードの陥落の年)に再開された。以後約300年間,アズハルはイスラームの宗教文化の中心となる。1517年にオスマン‐トルコのセリム1世がアラブ世界を征服すると,エジプトの知的活動はトルコ帝国の州単位にしだいに縮小し,宗教文化の中心をもアズハルからイスタンブルに移っていった。しかし,このアラビア語衰退時代にアズハルは,よく伝統的なアラブ諸学や中世的イスラーム神学の伝統を守って今日に伝えた。