●アシュヴァメーダ
アジア インド AD
古代インドにおいて,王もしくは王になるものが領地支配を正統化するために,馬(asva)を犠牲(medha)として神に供儀するバラモン教のヴェーダ的祭祀である。馬祭祀ともいわれる。それは毛並みの良い馬を放ち,そのあとを軍隊と王が1年のあいだつき従い,その間行軍した地域を領国とし,自らはその国王であることを宣言し,馬は帰国後犠牲として神に捧げられるというものである。アシュヴァメーダはマウリヤ朝以前から長く行われていたが,そのなかでも有名なのはマウリヤ朝最後の王ブリハドラタを殺しシュンガ朝を興したプシュヤミトラのそれである。こうした世俗権力の誇示と王としての地位を顕現するものとしてのアシュヴァメーダは王とバラモンとの結びつきを強くし,たがいにその地位を確かなものとしていった。