●アシエンダ
ヨーロッパ スペイン AD
新大陸のスペイン領植民地に特有の大土地所有制。スペイン領植民地では当初原住民労働力動員のためにエンコミエンダ=レパルティミエントの制度が行われたが,原住民人口の減少,銀鉱業の衰退が進むなかで,17世紀の半ばごろからアシエンダがしだいに定着していった。ただしそれ以前からその萌芽はみられた。スペイン領植民地の副王からの恩賜として一部のスペイン人に土地が与えられたが,彼らはその周辺をも不法に占有するようになり,副王も一定金額の納入によってそれを認めるコンポシシオンを行った。こうして土地の集中がすすんでアシエンダが形成され,少額の債務で一生拘束するような方式などにより,そこで働く労働者(ペオン)を確保した。アシエンダは自給的性格と商業的性格(商品作物の生産)を合わせもつゆえに安定した組織として今世紀までつづいてきたが,19世紀の独立後は商業的性格を強めた。とはいうもののメキシコ革命やペルーのベラスコ革命などにより,今日では主要国では廃止されたが,一部の国では存続している。