●アザンデ族 アザンデぞく
アフリカ スーダン共和国 AD
中央アフリカのナイルーコンゴ分水嶺に伴って生活し,その領土はスーダン共和国,ザイール,中央アフリカ共和国の3国にまたがっている。人口約75万人。イギリスの社会人類学者,エヴァンス=プリチャードによるすぐれた民族誌がある。本来言語・慣習の異なる数種類の部族からなる複合社会で,歴史的には少数の支配者アヴォンガラ族に率いられたアムボム族が,戦争によって周辺の部族を同化していった過程で生成されたのがアザンデである。かつてはいくつかの王国に分かれていた。親族関係は父系出自を辿り,父系の外婚・トーテムクランが存在するが,経済的・儀礼的機能はない。農業(ヒエ,マニオックなどの栽培)を主とするが,狩猟・漁撈も行い,工芸にも秀いでている。妖術・邪術信仰が盛んで,あらゆる不幸は妖術・邪術が原因だとされており,不幸にはなんらかの理由があるとし,その不幸をもたらした要因を占トを通じて追求し,特定の人物を妖術師として告発することで不幸の再発を防止,対抗することができるといった観念の体系をもつ。