●アサビーヤ
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集団における「連帯意識」を意味するアラビア語。元来は部族や氏族の血縁による連帯意識を意味し,ムハンマドに関する伝承によると,彼はこのアサビーヤをイスラームによる精神的絆に対立するものとして非難したという。しかしこの語が有名になったのは,14世紀後半のイスラームの歴史家イブン=ハルドゥーンによってである。彼はその著『世界史序説』のなかで,アサビーヤを人間の社会的結合の最も基本的な絆であり,歴史を動かす動因であるとした。すなわち砂漠の遊牧民のように,きわめて厳しい生活環境に住む人間は,自己の保存と目標追求のために,互いに協力しあおうとする連帯意識によって強力な結束力をもつ社会集団を形成しやすい。するとそうした連帯集団のなかから指導権が生まれ,やがてそれは集団構成員に拘束力と強制力を発揮できる王権(ムルク)という支配権の獲得をめざすようになる。そこで彼らは文明の進んだ都市に根拠を置く支配国家に反乱,あるいは攻撃・征服し,新しい国家を建設する,と以上のように説いた。