●字 あざ
アジア 日本 AD
開発の歴史的事情等によって,その形状がひとまとまりのものとみなされ,一つの地名で呼ばれる耕地や居住地の小区画のこと。この用語が公式に用いられるようになったのは,明治の地租改正以後のことであり,その際に定められた字は,近世の小名より広い範囲の区画であることが多く,地籍丈量によってつくられた切絵図の1枚分を1字として新たに地名(字名)を設けた場合もあった。これは現在通常「小字」と呼ばれているものに相当することが多いが,この名称そのものは,1889年(明治22)の町村制の施行に際して,それまでの町村(多くは旧藩制村)の範囲を「大字」としてその名を残すことが許されたために,これと区別するために用いられるようになった用法である。したがって,近代以前からの地名を保存しているのは,1868年(明治1)の改変を経ているとはいえ「小字(=字)」名のほうである。〔参考文献〕柳田国男『地名の研究』/『定本柳田国男集』20,1970,筑摩書房