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●アクバル=ナーマ

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 ムガル第3代皇帝アクバル統治時代の歴史書。編著者はアブール=ファズル。今日みられる形にまとまったのは,17世紀の初めごろで,アブール=ファズルの死後であるが,16世紀末ごろ,アブール=ファズルは,そのほとんどを完成していたようである。全体はペルシア語で書かれ,現在,各種の版本があるが,ふつうにみられるビブリオテカ=インディカシリーズの版本では全3巻でかなりの分量がある。アクバル以前は,第1代バーブル・第2代フマーユーンに関してそれぞれの皇帝1代記があるが,宮廷の歴史編さん官が皇帝の命令によって任命され,いわば公の事業として歴史書が編集されるようになったのは,アクバル以降のことである。『アクバル=ナーマ』は,序文につづいて,モンゴルにまでさかのぼるアクバルの先祖にふれ,バーブル・フマーユーンの行動を記し,アクバル生誕,幼少時から,アクバル統治時代について,編年ごとに歴史をまとめたものである。今日の目からみて,そのまとめ方は必ずしもみやすいものではなく,事件の記述の仕方はかなり入り組んでいる。アクバルの行動,宮廷内の動き,中央や地方のムガル貴族,高官の動き,地方でのムガルへの反乱などを記している。さらに,ふつう,この続編とされるものに『アーイーニーアグバリー』がある。これは,アクバル時代の法令・規則・慣習などをまとめたものである。これも16世紀末ごろほぼ今日の形にまとめられたといわれている。その内容は,アブール=ファズルの序文のあと,第1部が宮廷内の規則,第2部が軍制やアンサブダール制,第3部が帝国・各州の税収表,第4部がヒンドゥスタンの事情および聖者,最後にアグバルの語録,である。第1,2部が主として法令・規則を収録してあり,第3部の表からは,各州各県・郡段階までの,各地の主要産物の生産高がわかる。アブール=ファズルの編さんによるものではあるが,『アクバル=ナーマ』本文とは違って,こちらは,当時のそのままの資料が集められているため貴重な書である。