●赤子塚 あかごづか
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塚のなかから赤ん坊の泣き声がするので掘ってみると赤子がいたとする伝説を伴う塚。通例,臨月の女が急逝して埋葬されたのち,墓中で出産するが,子育てのため幽霊となって,夜になると飴を買い求めるか,不審の念を抱いた飴屋の主人が後をつけて事の顛末を知り,子供を救い出して育てるという子育て幽霊譚として語られる。菩提院や高僧名士に特定されると土中異常証五譚として頭白上人・通玄・如玄禅師・上達上人などの高僧伝として流布することになる。静岡県金谷町小夜の中山小泣石の伝説は有名だが,塚の立地が境界にかかわることが重要である。古来,赤児の霊は再生するものと信じられ,それが境界の神仏−道祖神・地蔵菩薩・賽の河原信仰に結びついた。顕幽界を自由に往来できる子供の霊と塚・土中という擬似母胎,境界性の結合した特徴をもつ。また,妊産婦の死後は,産婦と嬰児を二つに分けねばならぬとする葬送習俗の解説として語られる。