●赤蝦夷風説考 あかえぞふうせつこう
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仙台藩の俗医師,工藤平助1734〜1800年(享保19〜寛政12)が著したわが国最初の開国論書にしてまたロシア研究の最初の業績書である。書名の『赤蝦夷』とはロシア人をさし,本書は上下2巻より構成されている。上巻首に〈天明三年癸卯正月日〉の序文があるところからそのころの成立刊行と思われる。ロシアが千島・樺太に出没し始めた状況を,上巻では松前・長崎方面の住民からの伝聞や洋学者の教示によって記し,下巻では1744年に出版された『ロシア誌』,1769年版のヨハン=ヒュブネルの著した『地理全誌』などの蘭書を引いて記している。そしてロシア人の南下政策に対して蝦夷地の開発の緊急性を説いている。本書によって幕府は巡見使を派遣したり蝦夷地の調査に取り組むなど,本書のもつ歴史的意義は大きいものがある。〔参考文献〕鮎沢信太郎・大久保利謙『鎖国時代日本人の海外知識』原書房(復刊)