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●アエノコト

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 石川県の奥能登の農家で行われる田の神祭り。〈アエ〉は饗応,〈コト〉は祭りを意味する語だといわれる。儀礼の細部は家によって異なるが,いずれも当主自らの采配によって営まれる。通常は12月5日に苗代田から田の神を迎えて座敷の神座(種籾俵を置く)に案内し,入浴していただいてからお膳をすすめる。お膳には小豆飯やハチメ魚などをつけ,ご馳走の品目をいちいち説明し,現実にはみえない田の神を実際いるように接待して豊作に感謝,お膳をさげて家族一同が楽しく食事する。田の神はそのまま家で越年すると信じられ,2月9日には12月と同様の儀礼をして豊年を祈り田の神を送る。民間における新嘗祭や祈年祭の原初的形態をしのばせる農耕儀礼として注目され,1977年(昭和52)に国指定重要無形民俗文化財となる。

〔参考文献〕奥能登のあえのこと保存記録編さん委員会編『奥能登のあえのこと』1978,同保存会

小倉学『祭りと民俗』1984,岩崎美術社