●アエネイス
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『アエネイスの譜』の意味で,ローマ元首政初期の詩人ウェルギリウス(70B.C.〜19B.C.)が,晩年の10年間を捧げ,ホメロス以来の韻律ヘクサメトロスで書いた全12巻(約9,900行)のローマ建国大叙事詩。多くの先人の作品から素材を得ているが,とくに前半はホメロスの『オデュッセイア』,後半は『イリアス』を模しているとされる。トロヤ落城後,アエネイスは新しいトロヤ建設をめざし船出する。女神ユーノーの妨害を受け,苦難に満ちた7年の漂泊ののち,イタリアにたどり着く。そこで先住ラティウム軍との激戦の末,ようやく勝利を得る。作者の遺言に反し,死後アウグストゥスの指示で刊行されたのも,アエネイスの息子ユールスにユリウス氏族が由来し,イタリアを一民族とみなして賛美する作風が,アウグストゥスの統治理念に合致していたことと無関係ではない。長くラテン語文学の手本とされ,ダンテ・タッソー・ミルトンらの詩作にも影響を及ぼしたとされている。