●アイバク
アジア インド AD
?〜1210 デリーのサルタナット王国である奴隷王朝(1206〜1210)の初代君主。中央アジア・トルコ人。もとはニシャプールの商人の奴隷であったが,のちムハンマド=ゴーリーの宮廷奴隷となった。彼は才能によって頭角をあらわし,ムハンマドの武将としてインド攻略に当たり全ヒンドゥスタンをゴール王朝の版図化する上に多大の功績があった。1192年インド方面総司令官に任命されると,その後14年間にヒンドゥー諸国,グジャラート王国,カーリンジャルを席捲,北インドの覇権をほぼ掌中におさめた。1206年ムハンマドがインドからガズニへの帰途暗殺されるにおよび,全インドはアイバクの支配下に委ねられることになった。ここにムスリム支配者による軍事的征服国家が成立した。彼は武人ではあったが,現在廃墟として残る礼拝堂マスジド(モスク)とその側の光塔マナーラ(ミナレット)がクトゥブの名を冠していることからも知られるように文学に対するよき理解者でもあった。